1曲を3〜4MBにし,動画のオーディオをはるかに高音質のまま圧縮した(当時ビデオはモーションJPEG形式だったけど),MP3を使い出したあの頃。今も変わっていない現実を作り出した活気あふれたツールたち。
quote:カサディ&グリーン社が19年の歴史を畳んだ。同社はコンフクリト・キャッチャーや,iTunesのペースとなったサウンドジャムのような製品を送り出した,マック市場で最古参の会社だが,OS Xへの移行の流れに乗れず,財務的に生き残れなくなったようだ。
MP3が登場し出したのがいつだったのか,よくはおぼえていないがそのとき夢中になって使っていたツールはよくおぼえている。MpeggerやN2MP3,サウンドジャムMPなどがあり,ちょっと遅れてマックアンプ(MacAMP)やオーディオン(Audion),ウインアンプのマック版などが登場した。ちょうどその境目あたりが,20世紀と21世紀の間になる。なかでもやっぱりトップランクの実力をみせていたのが,サウンドジャムMPだった。
今のiTunes4をみても,その7割方は当時のサウンドジャムMPを引き継いでいる。カサディ&グリーンから制作者をアップルが引き抜いたのだから当然(過去記事)。わたしはサウンドジャムMPを,MP3プレイヤーのリオに曲を転送するためや,いつもいつもMP3を聴くためにずっと使っていたが,やはりその完成度の高さはうれしかった。そのカサディ&グリーンが消えるというのは,やっぱり寂しい。思い出の音楽がMP3で流れ出すとしたら,それはサウンドジャムMPでエンコードされたものだ。音楽がネットワークで生きるための絶対価値を知らしめ,奏でた,カサディ&グリーンを忘れない。
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